調剤業務の機械化・効率化・タスクシフトを進めたいとのご要望を伺い、
現場の状況に合わせた機器をご提案し、採用していただきました。
製品の導入に至る過程や導入後の効果について、
薬剤科の寺沢先生、西田先生、峰岡先生にお話を伺いました。

課題
- 医師、看護師からの業務のタスクシフトによる薬剤師の業務負担増に伴い、薬剤師の配置最適化と業務効率の向上が急務。
- 薬剤師の業務を妨げる要因となっている、調剤室への薬剤の所在の確認や急ぎの連絡などの削減。

目的
- 調剤機器による自動化を推進して薬剤師の手間を大幅に削減し、業務の効率化を図る。
- 機器導入に合わせて調剤室の動線を改善し、事務員も含めた調剤室の人員配置を最適化する。
- 安全性が担保できる業務については薬剤師から事務員へとタスクシフトし、薬剤師が専門的な業務に集中できる環境を構築する。
◇ インタビュー動画
ユーザー様紹介、導入製品紹介、インタビューを動画でご紹介致します。
◇ 注射薬自動払出システム「UNIPUL5000」について
Q.UNIPUL5000を導入された主な目的は?
峰岡先生:
当院では、医師、看護師からの業務のタスクシフトによって薬剤師の業務負担が増加していました。
そのため薬剤師の業務の効率化と調剤室の人員配置の最適化を図る目的で、注射薬のシステムをUNIPUL4000から最新のUNIPUL5000へと更新を行いました。
これまでは1RPごとに袋詰めする作業が必要でしたが、UNIPUL5000導入後は機器内に充填されている薬剤は自動でトレイにセットされるようになったため、不足している輸液等を薬剤師がトレイにセットするだけで調剤が完結できるようになりました。
結果として、調剤の手間が大幅に削減されました。
この機器を選んだポイントは?
峰岡先生:
UNIPUL5000は、UNIPUL4000と同一スペースでの設置が可能であったことに加え、薬剤の収納数が増加し、機能も改善されているため、設置スペースに制約のある当院のような環境でも最大限の効果を発揮することができています。
さらに、運用方法に応じてUNIPULのレイアウトを柔軟に変更できるのも、大きな利点となっています。
Q.導入後、具体的な効果はありましたか?
峰岡先生:
UNIPULの導入によって、調剤室の注射業務における人員配置を従来の「薬剤師2名体制」から「薬剤師1.5名体制」へと削減することができました。
Q. 薬剤の在庫管理に関して、UNIPULの利便性はいかがですか?
峰岡先生:
UNIPULは自動でカセット内の薬剤重量を測定し、在庫数が下限以下になるとランプが点灯するため、一目で在庫数を把握しやすくなりました。それにより薬剤補充にかかる時間を大幅に削減できています。
さらに、払出し時にUNIPUL5000はGS1コードを用いた薬剤確認を行っているため、導入前よりも安全性が向上し、安心して薬剤の充填作業を事務員へタスクシフトできるようになりました。
◇ 最終鑑査支援システム「F-Audit」について
Q. F-Auditの活用方法と、医療安全への貢献について教えてください。
峰岡先生:
UNIPULに充填されていない薬剤を、薬剤師がトレイに追加でセットする際のヒューマンエラーを防止するため、注射薬の調剤にはF-Auditを使用しています。
これは、安全かつ確実な調剤に繋がるシステムであり、さらに、薬品の取り揃えチェック機能なども活用することで、より正確性の高い調剤を実現できています。
◇ 全自動錠剤分包機「Xana-UF」について
薬剤認証機能に優れた分包機で、一包化を安全かつ効率的に
Q.明石医療センター様の一包化業務の現状は?
峰岡先生:
当院では、2剤以上の内服薬はすべて一包化して提供しているため、一包化調剤はかなりの数にのぼります。これまでは一包化された薬剤について、薬剤師が調剤時、鑑査時に一包ずつ確認し、2名の目で確認を行う、いわゆるダブルチェックを行っていました。
そのため一包化の調剤、鑑査に多くの人員を要しており、一包化業務の効率化を図ることが課題となっていました。
Q.これまで使用されてきた分包機に対して不満点などはありましたか?
峰岡先生:
これまで使用していた錠剤分包機には薬剤のチェック機能が乏しく、薬剤の規格や錠数の入れ間違いが発生することがありました。
その結果、確認作業に時間を要する点が課題となっており、安全面における不安にも繋がっていました。
Q.Xana-UFを導入され、どのような点で利便性を感じられていますか?
峰岡先生:
GS1コードによる薬剤認証が可能となり、薬剤の名称や規格の撒き間違いがなくなりました。
また、認証時に投入箇所が光って表示されるため、どこに何錠投入するかが視覚的に分かりやすくなり、作業時間の短縮にも繋がっています。
◇ 錠剤一包化鑑査支援システム「MDM」について
正確でスピーディーな鑑査で、薬剤師の負担を最小限に
Q.MDM導入の背景と、導入後の具体的な成果を教えてください。
峰岡先生:
導入前は、一包化薬剤における鑑査を薬剤師がダブルチェックで行っており、内服調剤に多くの人員を費やしていたため、何とかシングルチェックにできないかと考えていました。
MDMの導入により、機器による調剤過誤リスクの事前回避が可能となり、薬剤師のダブルチェックからシングルチェックへ移行することができました。
その結果、調剤にかかる時間が大幅に短縮され、内服調剤の人員を削減できました。
Q.錠剤分包機とMDMの連携による一包化業務のメリットを教えてください。
峰岡先生:
一包化時の薬剤認証から分包後の鑑査に至るまで、機器による正確でスピーディーな確認が行えるようになり、安全性を確保することができました。
その結果、事務員が安心して調剤業務のサポートに取り組めるようになりました。
錠剤分包機とMDMの導入と事務員への業務分担により、内服調剤の人員配置を、従来の「薬剤師2.5〜3人体制」から「薬剤師2人体制」へと削減することができ、大幅な効率化を実現しました。
業務のタスクシフトが円滑に進み、薬剤師が専門業務に集中できる体制が整いました。
◇ 調剤室のレイアウト変更について
スペースを有効活用するレイアウト変更で、動線を改善
Q.ダウンキャビネットの使い勝手はいかがですか?
西田先生:
以前は、調剤台に入りきらない薬剤を保管するための倉庫が必要であったため、狭い調剤室を圧迫しており、動線が悪くなっていました。
今回、内服エリアにダウンキャビネットを採用したことで、調剤台の上のスペースを有効活用できるようになり、内服用の倉庫をなくすことができました。
それによりスペースに余裕ができただけでなく、薬剤を探す手間が減り、補充に要する時間の短縮にも繋がっています。
Q.集塵機付き分包機一体型調剤台の使い勝手はいかがでしょうか?
西田先生:
元々使用していた散剤分包機をシステム調剤台に組み込み、集塵機付き分包機一体型調剤台にしたことで、かなりの省スペース化を実現できました。
その結果、調剤室内の動線に余裕ができ、作業のしやすさや利便性の向上に繋がっています。
◇ 機器導入の効果について
事務員へのタスクシフトで、薬剤師が専門業務に集中できる環境に
Q.機器の導入後、事務員へのタスクシフトはどのように進みましたか?
西田先生:
機器の優れた機能によって安全性が担保できる環境が整ったことで、内服薬や注射薬の取り揃え、錠剤分包機の操作、薬剤の充填、注射薬のセット、MDMやUNIPULの操作などを、事務員が安心して担当できるようになりました。
その結果、薬剤師から事務員へのタスクシフトもスムーズに進んでいます。
Q.機器の導入後、薬剤師の業務はどのように拡大しましたか?
西田先生:
機器導入と事務員の配置によって調剤室の業務をシンプルにすることで削減できた薬剤師1.5名分の時間を、病棟業務に充てることができました。
その結果、医師への処方支援や、看護師が行っていた配薬カートのセットなどの業務を薬剤師が担うことができるようになり、病棟における薬剤師の役割が広がりました。
Q.タスクシフトを行ったことで得られた効果は?
西田先生:
他職種からのタスクシフトを多く受けられるようになったことで、病院内での薬剤科の評価も向上し、結果として薬剤科事務員のさらなる増員が認められました。
以前は病棟からの薬剤送付依頼や薬剤の所在に関する問い合わせの電話が多く、薬剤師の負担が大きい状況でした。
今回、薬剤科事務員の増員に伴い、事務員による1日4回の定期的な薬剤搬送を開始した結果、これまで頻繁にあった病棟からの薬剤に関する問い合わせ電話はほぼなくなり、効果は非常に大きいものでした。
進捗管理システムを新たに導入することなく、時間を取られていた電話対応や搬送の手間を削減できたのは、この定時搬送という運用が現場に定着し、非常にうまく機能していることの表れだと考えています。
これにより、薬剤師は調剤や鑑査などの専門業務に集中できる環境を整えることができました。
◇寺沢先生よりコメント
調剤機器の進化と現場の積極的なDX化が
薬剤師の育成と活躍に役立っています
当院では現在、病院全体として働き方改革に伴うタスクシフトとタスクシェアを推進しています。
私たち薬剤科では、「確かな知識と技術で安心・安全を届ける」を理念に掲げており、病棟で活躍できる臨床薬剤師の育成にも力を入れています。
また、薬剤師から事務員へのタスクシフトを進め、機械化できる部分は可能な限り機械化することは、薬剤師が本来必要とされる「臨床業務」へ従事する時間を確保するために不可欠です。
私自身、長年貴社の調剤機器を使用し続けておりますが、その性能は日々進化していると実感しています。
当院は薬学生の実務実習の受け入れも行っており、教育環境という観点でもシステム化は重要です。
今後も、各施設の実情や運用に合わせて、より容易に仕様変更やカスタマイズができるような柔軟な対応を期待しています。
寺沢先生、西田先生、峰岡先生、また明石医療センターの皆さま、ご多忙の中取材へのご協力まことにありがとうございました。
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